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仁井田本家感謝祭レポート(後編)

※こちらは前編からの続きになります。前編を読まれる方はこちらから

感謝祭のスタートです

10時になり、皆さんわーっとまずは福袋へ並びます。次に人気は「酒粕詰め放題」。約1400kg(!)用意されたしぜんしゅ純米吟醸の酒粕がどんどんなくなっていきます。そして少しずつ試飲販売コーナーにもお客様が来られるようになってきました。そして以外にも私の「ノンアルコール」コーナーが最初人気だったのです。実は見えていなかったのですが、この時、振る舞い酒のところにも行列ができていたのだと思います。しかし車で来られるご家族などもおられます。そう、お酒が飲めない方(呑みたくても飲めない運転手の方とそもそも飲めないお子様)がこの時ノンアルコールコーナーへお越しいただいていたわけです。勝手な想定外の人だかりにバタバタしながらも調子よく二種類のあまさけ飲み比べをおススメして、さらに混雑! でも全く味が違う二種類なので是非両方飲んでいただきたかったのです。感想を伺いながら気に入った方を購入いただけるのはとても嬉しいですね。とても小さなお子様でも糀のあまさけをグイグイ飲んでいるのをみてお母さんに聞いてみると「普段から大好きで飲んでるから~」との回答。「なるほど、では是非本日も購入お願いします」とすかさず営業をしていたのでした。麹あまさけもしくはマイグルトが好きなお子様も勝手な想像より多くて驚きました。交代の昼休憩の影響で、担当範囲がノンアル+金寳+冷やおろし+貴醸酒に広がり、その後、午後は結構百年貴醸酒を担当していました。当店では扱っていない百年貴醸酒ですが、実は結構面白い商品です。

酒粕/ノンアルコーナー
カレーキッチンカー/鮪解体ショー

皆さん「貴醸酒」はご存知でしょうか

通常の日本酒は”米”と”水”で仕込みます(麹や酵母も使いますが)。この”水”のところを”日本酒”で仕込むのが貴醸酒です。通常甘いデザートワインの様な味わいのものが多いです。
「百年貴醸酒」は蔵元の『2011年(創業300年の年)の蔵人から2111年(百年後)の蔵人へ、貴醸酒仕込みをリレーする』という考えのもと、米と前年の貴醸酒で仕込みます。つまり、2012年は水の代わりに2011年の貴醸酒を使い、2013年には2012年の貴醸酒を使う、つまりその中には2011年の貴醸酒が含まれているということで、2111年の貴醸酒には2011年から毎年引き継がれてきた貴醸酒が99年分含まれて100年貴醸酒になるというものです。この貴醸酒が現在、2014年醸造もの、2015年醸造もの、2016年醸造もの、2018年醸造ものの4種類販売されています。2011、2012、2013、2017年はもう販売されていません。2017だけ早く売り切れた理由は、正直分かりません(今回試飲時にもよく聞かれましたが)。

こんな感じでした

それはともかく、4年熟成した貴醸酒(しかも中には2011年からの貴醸酒が含まれている)は、色も透明感のある茶色になり、味わいも甘味の中にコクがあってなんとも言えない美味しさになっていました。しかし各年代、熟成による味の違いがあるという事は、人の好みも色々という事で、多くの方に試飲いただくと色々な意見がありました。ここでもご希望の方には2014、2015、2016、2018を若い方から順番に呑み比べていただきました(感謝祭ならでは贅沢です!!)。皆さんの感想、結果として購入されるお酒との関係(もちろん価格という要素も入ります)などとても興味深い体験が出来ました。悩んで戻ってきて購入いただける方もおられて、色々とお話をさせていただくと、普段ネット販売なので生のお客様の声を聴けないので新鮮でした。ネット販売やSNSでのコミュニケーションにも勿論それだからこそのいい面があると思って岡酒商店をやっていますが、対面販売もまた別の良さがあることを実感しました。そして貴醸酒はその良さを伝えきれないと思って扱っていなかったのですが、ちょっと考え直してみようかなと思い始めていたりします。

そうこうしているうちにほとんど他のブースを見る時間もなく感謝祭は終了になりました。テントや諸々撤収を行い、最終のサポーター用バスで郡山駅まで送っていただいたわけですが、バスを待つ間に酒バーに残ったお酒をいただいたり、別のブースの方とお話ができたり(少しですが)、蔵元や営業の方にご挨拶ができたりと充実した一日になりました。
バス乗り場までの5分ほどの道のりは、蔵の周囲を囲む田んぼの景色が綺麗でした。もうかなり黄金色になっていました。次の仕込みが楽しみですね。

さいごに

ここまでお読みいただいた方、長い文章をお読みいただきありがとうございました。

さて、最後にどうして移動に一日かかったかという事ですが、これは経費削減(笑)かつ私の趣味で青春18きっぷで移動したためです。ちょうど9月10日までが期限だったのと、日曜日の朝の時刻と終わりの時刻を考えるとどうしても2泊することになるのでそれならいっそ一日かけて移動してみようと考えました。青春18きっぷをご存じない方のために簡単にご説明しますと、JRの路線に限って1日特急・急行・新幹線以外(つまり各駅停車や快速)が乗り放題という切符です。5日分一組で販売されていて、バラバラの5日で使用しても、5人で一度に使用してもOKです(その場合は同一行動になります)。私は2日分残しておいて、行きと帰りに使いました。もともと電車に乗るのは好きでこの切符は良く利用する(東京での有料試飲会の時も神戸-東京間はこれで移動しました)のですが、流石に神戸から郡山までは初めての距離でした。約15時間。それを一日で移動しようとすると、途中下車して休憩などしている時間はありません。東京へ行く場合、浜松で昼食に餃子を食べてリフレッシュしたりできるのですが、今回はずっと移動。でも出来るものです。無事に帰ってきました。熊本の通潤酒造さんへ行った時の帰りもそうだったので(博多から神戸)、気が付いたらたくさんの路線に乗っているかもしれません。しかし鉄道マニアではありません。電車の写真も基本的には取りませんし。でも電車の揺れは大好きです。電車で転寝するのは最高ですね(笑)

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