この日本酒は、かつての酒処・堺とそれを支えた米どころ・上神谷の復活を夢見た人達のプロジェクトから生まれました。
上神谷は大阪府堺市のイメージとは異なる山間の谷です。そこは天照大神降臨の伝承もある「神の郷」。古くから棚田で稲作が営まれ、地味豊かで寒暖の差が大きい谷あいにあるため酒米の栽培にも適しています。江戸時代から昭和初期まで実際に酒米の栽培が盛んな土地であった上神谷地域は、堺の酒造業の衰退とともに酒米の栽培が消えていきました。
その地で、食米の不耕起栽培(田んぼを耕さない農法)を行っていた「ゆにわの里」の寺田さんと上神谷のお酒復活を夢見た上神谷営業の皆さんが出会い、阿波山田錦の種もみで山田錦の栽培が始まりました。不耕起かつ無農薬・無化学肥料が寺田さんの考え方です。この農法で育った山田錦を泉佐野市の北庄司酒造店へ持込み、日本酒・上神谷が醸されました。
60%精米の純米吟醸酒と80%精米の純米酒。
この精米歩合からも原料米である「上神谷の山田錦」への想いが感じられます。そして、アルコール度数はともに17.5度。つまり原酒ということです(書かれていませんが(笑))。
必要以上に削らない。そして米の味を感じて欲しい。そんな言葉がスペックから聞こえてきます。
上神谷 純米吟醸酒
日本酒らしい日本酒。綺麗な純米吟醸酒でありながら、味わいは主張してくる、そんな感じです。
開けたてよりも少ししてから、冷やしすぎより少し温度が上がってからが美味しく感じる。それは米の味が感じられる状態まで待った方が美味しいよということでしょうか。
典型的な和食と良く合う、そんなお酒です。
純米吟醸酒 720ml 2,530円(税込)
上神谷 純米酒
純米吟醸酒と比べると、やはり穀物感や色々な味が感じられる純米酒。80%にしては綺麗に感じるのは山田錦だからでしょうか。
そう言えば、80%精米の山田錦の日本酒というのも意外に少ないかもしれません。
こちらはしっかり味わうためにも常温からぬる燗がおすすめです。